日本と真逆。ドイツのロックダウンに「国民が批判しない理由」
12月9日、“魂のスピーチ”で国民に訴えたメルケル首相(写真:時事通信)
「ドイツではこれまで『もしクリスマスにロックダウンになれば暴動が起こる』と言われていました。でも、実際にロックダウンが決まったら、暴動どころか国民が一丸となってコロナと戦おうとしています」
こう驚きをあらわにするのはベルリン在住の日本人だ。ドイツでは16日からこれまでよりも厳しい外出制限である「ロックダウン・ハード」が始まることが決まった。
「クリスマスはヨーロッパでは一年で最も重要なイベントです。イギリスやフランスでも、クリスマスは一時的に外出制限を緩和すると発表されています。しかし、ドイツでは1月10日までお店も学校もできるだけ閉まるようになり、クリスマス前後の3日間は各世帯+4人までの親族の集会だけが可能となりました。
また、ドイツ人にとっては年越しもビッグイベントです。普段は禁止されている花火が大晦日だけ解禁となるため、花火を人に向けて打ちまくるのがドイツの年越しです(笑)。
例年この時期のみ、大量の花火がスーパーで飛ぶように売れていくんですが、今年は花火の販売もなくなりました。それでも国民が素直に従っているのは、やはりメルケル首相の真剣な訴えに耳を傾けたからだと思います」