寂聴さんが語る“コロナ禍だから知っておきたい”名僧の言葉
もっとおばあさんになってヨボヨボになるかなと思ったらそうでもないのです。いつも若い人といっしょにいることが、私の元気と長寿の秘訣かもしれません。
長寿の秘訣といえば、今から400年ほど前、徳川家康に長寿法を尋ねられた天台宗の天海僧正は、こう教えていらっしゃいます。
気は長くつとめは堅く
色うすく食細うして
心広かれ
今も昔も、短気は短命のもとなのですね。
「気を長くしてゆったりとした心を持ち、自分の仕事はなまけないでしっかり勤め、色ごとはほどほどにして、大食しないように。心は常に広く持ち、何かにつけ、かっかと怒らないようにしなさい」
という意味です。あまり面白味のない生活になりそうですけど(笑)、皆さんも天海僧正の教えどおりになさると、もっともっと長生きできると思います。
寂庵の外の出来事に目を転じると、長引く自粛生活によって正社員と契約社員の収入格差、お金持ちの子どもと貧しい家庭の子どもの教育格差などが拡大するとともに深刻な差別社会に進んでいます。
安倍さんと代わった菅首相は、国民に「自助・共助・公助」を呼びかけました。つまり「生活苦も病気も老親の介護も自分でしなさい。できなければ地域や仲間で助け合いなさい。