2021年1月3日 11:00
4年経ってパワーアップ!令和の「逃げ恥」が救おうとしたもの
夫婦別姓制度、男性の育児は「手伝う」で良いのか問題、女性の劣化発言にレズビアン告白などなど。4年前は11話編成ということもあり、こんな短時間で複数の社会問題にスポットが当たる作りになっていませんでした。筆者はスピード感に圧倒され、「このドラマ、いったいどう着地させるんだ!?」と不安にすらなりました。
しかし、そんな不安感は物語が進むにつれ、だんだんと薄れていきます。
■前半の大テーマは特に「男性の生きづらさ」なのではないか
本作前半ではみくりが妊娠し、事実婚から法律婚に切り替えた2人の親になっていく姿が描かれています。そのとき、個人的にすごく感じたものがありました。それは、このドラマのテーマの1つが「男性の生きづらさ」なのではないかという点です。
本作ではさまざまな社会問題が提議され、観る人の立場によって共感や学びに差がある作品です。
そんななかでも平匡さんを介して表現される男性像の当たり前とそれによる苦痛、そしてアップデートがおこなわれていたように感じました。たとえば本作序盤では妊娠順番ルールについて触れていますが、途中から男性の育休問題について大きく扱われています。またみくりが妊娠中、つわりやホルモンバランスの変化によって体調不良や情緒不安定になるシーンもリアルに描かれていますが、それと同じくらい平匡さん側の頑張りきれないもどかしさや限界感も描かれている。