2021年1月14日 06:00
年金だけなら1680万円不足…介護付き老人ホーム“本当の負担”
「コロナ禍による外出自粛で、“一人暮らしの老親の身体機能や認知機能が低下してしまった”と訴えているご家族が増えています。ふたたびこのような不安を抱えないために、人と交流ができ、日々のケア、見守りなどの総合的なサービスを受けられる高齢者施設へ入所させたいというニーズは、今後さらに高まるでしょう」
こう語るのは、『図解ポケット30分でわかる!介護保険の上手な使い方』(秀和システム)の著者で、介護業界専門コンサルタントを行っているスターパートナーズ代表の齋藤直路さんだ。
「ただし、高齢者施設の入居費用は、生涯にわたり払い続けるものであることを忘れてはいけません。親の資産状況によっては、子ども世代への金銭的負担が大きくなります。慎重に検討しなくてはならないのです」
ファイナンシャル・プランナーの寺門美和子さんも同意する。
「実際に親の資産はいくらあるのか、毎月、いくら年金をもらっているのか、そして持ち家の場合、いくらくらいで売却できるのか。残念ながら、親子でこうした会話をするのは抵抗があると、親の資産状況を把握できていない人が非常にたくさんいます。高齢者施設の月額利用料金は、年金額を考慮して算出されているようですが、入居一時金や、介護度に応じた介護費用などの出費も忘れてはなりません。