くらし情報『「携帯お貸ししようと…」故・安野光雅さんと美智子さまの絆』

「携帯お貸ししようと…」故・安野光雅さんと美智子さまの絆

12年3月「安野光雅の絵本展」を安野さん本人とご覧になった美智子さま /(C)JMPA

12年3月「安野光雅の絵本展」を安野さん本人とご覧になった美智子さま /(C)JMPA



「上皇后さまと安野さんがお話しになるときは、本当に自然体なんです。安野さんはいたずらっ子みたいに、おかしなことばかり言っていました」

そう思い出を振り返ってくれたのは、元編集者の末盛千枝子さん。

『ふしぎなえ』『ABCの本』などの絵本でも知られる画家の安野光雅さんが亡くなっていたことが、1月16日にわかった。昨年12月24日に肝硬変のために死去、94歳だった。

安野さんは上皇ご夫妻とも親交が深かった。美智子さまが英訳した絵本『どうぶつたち』『ふしぎなポケット』は、末盛さんが編集し、安野さんが挿絵や装画を描いている。さらに、美智子さまが児童文学やご自身の読書体験について語られた講演を収録した『橋をかける』『バーゼルより』の装画も、安野さんの手によるものだ。

「忘れられないのは『バーゼルより』の表紙のために白樺の木を描いていただいたときのことです。
上皇さまが入院され、上皇后さまは毎日看病に行かれていてたいへんな時期でした。でも、上皇后さまのお印の白樺を安野さんが描いた原画ができあがったとき、それがあまりにも美しい絵だったものですから……。

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