「美人ばかりずるい!」を『ルンルン』で代弁した林真理子
育った場所は違っても、年齢が近ければ「そうそう!わかる」って盛り上がれるのが、青春時代にはやったドラマや歌の話。同世代の女性と一緒に、“あのころ”を振り返ってみましょうーー。
「人の心に訴えかける手法は、現在なら動画、少し前なら画像でしたが、’80年代前半は“言葉”の力が圧倒的に強かった。そのため『おいしい生活』という、西武百貨店の広告を手がけた糸井重里さんを代表とするコピーライターが、かっこいい職業の象徴でした。林真理子さんは、女性コピーライターの草分けとして、『ルンルンを買っておうちに帰ろう』など、エッセイというジャンルを世に広めました。『ルンルン』という言葉は流行語にもなりましたよね」
こう語るのは、世代・トレンド評論家の牛窪恵さん(53)。
『ルンルンを買っておうちに帰ろう』は’82年に出版された、林真理子さんのデビュー作。このなかで《できるだけ正直にいろんなことを書こうと思ったのだが、書きすすむうちにあまりのエゲツなさにわれながら悲しくなってしまったことが何度もある》とつづる著者の、モテる女性への妬みやそねみをあけすけにしながら、女性を磨き、恋愛、仕事にも奮闘する姿が描かれたエッセイ集だ。