くらし情報『「美人ばかりずるい!」を『ルンルン』で代弁した林真理子』

「美人ばかりずるい!」を『ルンルン』で代弁した林真理子

牛窪さんは、同書が当時の女性の生き方の選択肢を広げたと分析する。

「いまの女性は仕事という“キャリア”と、恋愛や結婚、育児などの“家庭”の両方を手にするのが当たり前の二刀流世代です。でも’80年代は、どちらかを選択する、つまり、どちらかを捨てねばならない女性が大半だった。たとえばバリキャリ路線でいくなら、土井たか子さんや、少し後の田中眞紀子さんのように、髪を振り乱し、女性らしさを犠牲にしなければ生き残れませんでした」

一方、専業主婦として生きていく選択をすれば、“3高(=高学歴、高収入、高身長)”を備えるような、競争率の高い男性に見初められるために、女性らしさ、かわいらしさを追求することになる。

そのために“聖子ちゃんカット”や、後のダブル浅野のワンレン、ソバージュをマネするのだが、どんなに頑張っても限界がある。

「けっきょくは“見た目”のいい人が、なんの苦労もなく、ブランドものをプレゼントされ、高級レストランに連れて行ってもらえる現実に直面します。そんな“美人ばかり、ずるい!”という、大多数の女性が思っていても、なかなか口に出せない妬みやそねみを、『ルンルンを買っておうちに帰ろう』では軽妙なタッチで代弁してくれているから、多くの共感を得られたのでしょう」

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