2021年2月26日 15:50
実体経済を反映していない「株価3万円」は暴落と隣り合わせ
2月15日、日経平均株価が3万円台を回復。’90年8月以来、実に30年6カ月ぶりだ。「株価は半年先の経済を予測する」というので、本来なら株高は喜ばしいこと。だが、いま私たちの周りには、コロナ禍の不景気感が渦巻いている。
’20年に休廃業や解散した企業は約5万件と、調査を始めた’00年以降で最多となった。倒産と合わせると約5万7,000件にのぼる(東京商工リサーチ)。コロナ関連の解雇や雇い止めも8万7,450を数える(’21年2月12日・厚生労働省)。
現在は不景気のどん底なのに、なぜ、株価が高騰するのか。
経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれたーー。
■バブルは必ずはじける。投資は慎重に!
株価が高騰する理由は3つ考えられます。
1つ目は、世界中で金融緩和が行われ、金余りの状態です。行き場を失った資金が株式市場になだれ込み、株価を押し上げています。
2つ目は、日本の株式市場には、日本銀行や私たちの年金資金を運用する「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」の資金が大量に流入しています。こうした公的資金は、株価が下落しそうになると株をさらに買い増し、株価下落を食い止めています。