小松政夫さんが遺した言葉…親交監督語る“20年分の留守電”
18年10月、小松政夫さん「モルエラニの霧の中」出演シーンより
「小松さんは、子供のころから僕のアイドルでした。それで、僕が初めて映画を撮ることになったとき、どうしても出演していただきたくてお手紙を出しました。ほどなくして小松さんから『舞台出演が続いているので難しいです』と丁寧な断りのお返事がきました。
でも諦めきれなくて、小松さんが出演している舞台を立て続けに見に行き、そのたびに楽屋へ押しかけて。『何年でも待ちます』と言い続けました。すると、あるとき『わかった!君には負けたよ!出るよ』と言ってくださって。本当に嬉しかったですね」
こう語るのは、映画「モルエラニの霧の中」で監督を務めた坪川拓史さん(49)だ。
7話で構成されたオムニバス映画である同作には香川京子(89)や大塚寧々(52)、さらに18年2月に急逝した大杉漣さん(享年66)といった名優たちが数多く出演。
そして第3話・夏の章「しずかな空」で主演を務めているのが、昨年12月に亡くなった小松政夫さん(享年78)だ。
00年、初めて監督を務めた映画『美式天然』で小松さんとの縁が生まれた坪川さん。以降、制作した全ての作品に小松さんが出演することに。