2021年3月17日 11:00
雅子さまの東北を詠んだ御歌4選「込められた幸福の祈り」
11年4月、福島県の被災者が多く避難していた東京都調布市の味の素スタジアムをご訪問 /(C)JMPA
東日本大震災から10年を迎えた3月11日、天皇陛下と雅子さまは追悼式に臨まれる。雅子さまは毎年のお誕生日のご感想で、陛下とご一緒に「被災地の復興に永く心を寄せていきたいと思います」などと今なお被災地を気遣われ、復興を願う思いをつづられてきた。
また、皇太子妃時代には被害の大きかった東北3県の被災地を3回ずつご訪問。そのご交流のなかでのお気持ちを、折に触れ和歌に詠まれている。
《春あさき林あゆめば仁田沼の岸辺に群れてみづばせう咲く》
’96年春、福島県土湯温泉町を訪ね、仁田沼周辺を散策された両陛下。震災の年に、その美しい自然に思いをはせ詠まれた御歌。
《悲しみも包みこむごと釜石の海は静かに水たたへたり》
岩手県釜石市をお訪ねの際、釜石湾が静かに凪ぐ様子をご覧になり、地域の人々の悲しみが癒されていくよう願われた。
《ふるさとの復興願ひて語りあふ若人たちのまなざしは澄む》
事故を起こした福島第一原発に近い広野町の福島県立ふたば未来学園高等学校の授業をご覧になり、生徒たちの真摯ですがすがしいまなざしの印象を詠まれた。