橋田さん語っていた『渡鬼』新作構想「結末はハッピーエンド」
(石井さん)
橋田さんは両親を早く亡くし、兄弟姉妹もおらず、家族というものに憧れていたという。だが、新婚生活はけっして甘いものではなかったようだ。橋田さんは当時の思い出を本誌に冗談交じりにこう語っていた。
《結婚してお姑さんや小姑たち――“家族”ができたときに、つくづく「家族というのは気を使わなければいけないし大変だ」と思いました。こうした思いはすべてドラマになって、しっかり儲けさせていただきました(笑)》(本誌’15年7月7・14日合併号)
慣れない人間関係に悩みながらも、家族に尽くそうと努めていた橋田さん。その在りし日の姿について、泉ピン子は次のように語った。
「私がママからよく言われたのは『一に家庭、二に仕事』。かいがいしく家事をこなす姿が印象的でした。
まだご主人がご存命のとき、自宅に伺うと、『ピン子にうまいものを食わしてやれ』『布団をしいてやれ』……、何を言われても返事は『はい』だけ。それでもいつもママは家庭のことをいちばんに考えていましたね」
■死別後は、夫の写真とおしゃべりしていた
超売れっ子作家でありながらも“仕事より家族”というモットーを貫いたのは、夫への深い感謝があったからだという。