【玉置妙憂の心に寄りそう人生相談】本音で話せなかった生前 亡き父と話がしたい
【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談<第74回>
数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう~医療と宗教の間のケア~』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。
【今回の相談内容】
最近、亡くなった父と話がしたいと思うことが多くなりました。子どもの頃、私は父と仲が良く、学校や友達、進路のことまで日常のあれこれを父に話していました。父からのアドバイスはどれも参考になり、振り返ると、そのときの心の支えであったとも思います。しかし、大学進学や就職をする中で、それまで聞かされていた父の話が、必ずしも正しい内容でなかったり、偏見のある内容であることに気づいて。父から心が離れ、それから相談したり腹を割って話したりすることもなく、父は亡くなってしまいました。それから3年。一転して、父ならどうアドバイスするだろう、自分の気持ちを聞いてほしい、と思うことが増え、大人になってから父と素直に接することができなかったことに後悔するようになりました。
父なき今、どうすることもできないことは分かっています。ただ、このやるせない気持ちと折り合いをつける方法はないものでしょうか。