くらし情報『憲法学者・木村草太「コロナの失政を憲法のせいにするな」』

憲法学者・木村草太「コロナの失政を憲法のせいにするな」

憲法学者・木村草太「コロナの失政を憲法のせいにするな」


「新型コロナへの対応を受けて、緊急事態への備えに対する関心が高まっています。〈中略〉そのことを憲法にどのように位置付けるかは極めて重く大切な課題です」

5月3日に行われた改憲派の民間団体の集会にそんなメッセージを送ったのは、菅義偉首相(72)だ。いま、自由民主党などによる改憲への動きが加速している。6日、衆議院憲法審査会で、改憲の手続きを定める国民投票法改正案が、与野党の賛成多数で可決された。同法は今国会で成立する見込みだ。

■コロナ禍で 「緊急事態条項」が改憲の旗印に

全国紙政治部記者はこう語る。

「これまでは、“9条を改正して自衛隊の存在を明記してあげよう”というのが、安倍前首相をはじめ、改憲派の旗印でした。
しかし、コロナ禍になってからは『緊急事態条項』の創設が前面に押し出されるようになりました」

憲法学者・木村草太「コロナの失政を憲法のせいにするな」


緊急事態条項とは、戦乱や大規模な災害時などの緊急事態に、政府の権限を大幅に強めたり、国会議員の任期を延長したりすることを可能にするもの。現在、東京都や大阪府に出ている「緊急事態宣言」とはまったく異なるものだ。自民党が2012年に発表した「日本国憲法改正草案」や、2018年に発表した「改憲四項目」

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