コロナの持病別死亡率ランキングで腎機能障害が1位の理由
持病があって感染すると重症化や死亡リスクを高めること自体はデータも示しています」
腎臓の機能が低下すると、免疫も低くなりウイルス感染で重症化しやすいという。
「腎臓は血圧もコントロールするので、腎臓が悪いと高血圧になってほかの循環器臓器に悪影響を与え、動脈硬化を進行させます。すると、血栓ができやすくなり心筋梗塞や脳梗塞になるリスクが高まります」
特に慢性腎臓疾患は、なぜなるのかまだ解明されておらず、よく効く治療薬もないという。
「腎機能の低下は自覚症状が少ないため検診データの把握が重要ですが、数値の変化が表れたときには悪化しているケースも多いです。50代以上の数%が慢性腎臓疾患になります。そのため、尿検査と併せ、血液検査では“クレアチニン”の値に注意を。治すことはできなくても進行を遅らせることはできます」
■心疾患と脳血管疾患の“共通点”とは
死亡率の2位は、固形悪性腫瘍、つまり“がん”だ。
「がんが進行すると消化器や肺、肝臓、腎臓など全身の臓器の機能が落ちるので、重症化しやすい可能性があります。
抗がん剤によっては副作用として体の機能が落ちるものがあったり、免疫が落ちるので重症化のリスクがあります」