コロナの持病別死亡率ランキングで腎機能障害が1位の理由
3位は、慢性呼吸器疾患。
「これは肺気腫を含むCOPD(慢性閉塞性肺疾患)、間質性肺炎などがその代表ですが、肺機能の低下で酸素交換が阻害され臓器に酸素が十分いかなくなります。ウイルスは肺に増殖して肺炎を起こすことから、呼吸器疾患の重症化リスクはかなり初期から言われていました」
心疾患が死亡率37%で4位、5位に同約27%の脳血管疾患となっている。左門先生は、この2つの持病には共通点があるという。
「新型コロナ感染症は、全身の血管に障害を引き起こす『血管病』でもあるのです。血栓が全身の血管にできてしまい、心臓に起これば心筋梗塞、脳に起これば脳梗塞となります。心疾患や脳血管疾患の持病のある人は、血栓が元来できやすくなっているので、新型コロナウイルスの感染でそれが助長されてしまうのです。心筋梗塞や脳梗塞の既往歴のある人も、同じ理由で重症化するリスクが高いのです」
6位が肝疾患。
健康診断で肝臓の数値が少しだけ悪いとか、軽度の脂肪肝などは含まれないそうだ。
「この肝疾患というのは、B型肝炎、C型肝炎、脂肪肝、アルコール性肝炎などで高度な肝機能障害や肝硬変になっている人です。肝臓は生体内物質の代謝を担っているので、これらの病気があると全身の機能が低下し、重症化するリスクが高いです」