ホラーもBLも描く『パタリロ!』の異彩、当時女子が夢中に
「ギャグの面白さはもちろん、扱うジャンルが非常に多岐にわたっていて、’70年代後半から’80年代にかけてブームとなったオカルトやホラーの要素を盛り込んだり、ハードボイルドなアクションを取り入れたりしていました。女のコが興味津々の、宝石類に関する詳しい知識なども描かれていたので、しっかり読み込もうとするのですが、次の場面でパタリロがギャグに切り替えてしまう。バンコランと一緒に読者も、いい意味で振り回されたものです」
現在ではひとつのジャンルとして確立されている「BL(ボーイズラブ)」も描かれている。
「露骨な描写がされているわけではないのですが、パタリロが男のコのベッドに潜り込んだりするシーンを見て、当時の女子はドキドキしたものです」
アニメ化(’82〜’83年・フジテレビ系)された後、連載の場を『別冊花とゆめ』『マンガPark』などに移しながら、現在も続き、コミックスは102巻を数える。「’16年には初めて舞台でも上演され、おしゃれで、好奇心旺盛で、次に何をしでかすかわからないパタリロを、加藤諒さんが好演しました。40年以上の長期連載となったことで、親子2世代で楽しむファンも多くなりました。