老後破綻しないために妻は知っておきたい「夫の定年後の3つの崖」
今春、子どもが独立し、ようやく肩の荷が下りたと安堵したのもつかの間。貯蓄がゼロになってしまっていたことに気づき、「真っ青になった」というのは、都内に住むA子さん(55)。
「最後の学費の支払いが終わったときに、ついうれしくなっていろいろと衝動買いをしてしまいました。カードでの支払いが無事に引き落とされるかどうか、銀行の通帳を確認したら、残高が限りなくゼロに近づいていたので焦ってしまいました……」(A子さん)
夫の定年が近づき、会社員としてのゴールが見えてきたのに、「夫婦の貯蓄がゼロ」という世帯は少なくない。
「長年、家計相談を受ける中で、思うようにお金を貯められなくなったという50代が増えている」というのは、ファイナンシャル・プランナーの深田晶恵さん。
「税金や社会保険料がアップしているので、手取り収入は年々減少の一途をたどっています。さらに、長引く超低金利により、銀行にお金を預けても利息でお金を増やすことができなくなっています。そこにきて結婚、子どもを産む年齢が遅くなってきているので、60代になってもまだローンの返済が終わらない、という人が意外に多いのです」(深田さん・以下同)