2021年6月21日 06:00
森口博子「最初のバラエティロケは“オスのロバを口説く”仕事」
あのときあきらめていたら、と思うと」
高校2年の2学期に地元福岡から上京し、『機動戦士Zガンダム』の主題歌『水の星へ愛をこめて』(’85年)でデビュー。スマッシュヒットとなった。ところが……。
「アニソン(アニメソング)は今でこそ世界に発信する日本の文化ですが、当時は地味な存在として見られていたんですね。雑誌の記事でも、ほかのアイドルとの扱いの違いを感じていました」
編入した堀越高等学校の芸能コースでは、同学年に荻野目洋子や井森美幸もいたが、彼女たちは仕事が忙しく、学校で顔を合わせることは、ほとんどなかった。
「でも、私はスケジュールがスカスカで、普通に通学できていて。それが恥ずかしくて、ニセの早退届を出して、仕事で忙しいフリをして、学校をサボっていました」
芸能人が多く通う堀越高等学校の制服を着て昼間に出歩いていると、“もしかしたら芸能人かも”と思われる。
「あるとき、大学生ぐらいの男の人たちが近づいてきたんですね。
『誰?誰?』って。私の心の中で“誰でもないから、来ないで”って祈っていたけど、顔をのぞかれて、『誰、こいつ、知らねー』って……。すごく怖かった」
高校卒業時には、ついに「才能がないから、福岡に帰す」