2021年7月29日 15:50
感染者急増で懸念される「東京発コロナ変異株」の危険性
最悪のシナリオは日本発祥の“東京五輪株”が生まれることだという――
つぎつぎと破られる水際対策に、はじける“バブル”……。それがもたらす最悪のシナリオは日本発祥の“東京五輪株”が生まれることだというーー。
「パンデミックの真っただ中に、全世界から9万人もの五輪関係者を東京に招き入れることは、人類史上、前代未聞のこと。世界の新型コロナウイルスの変異株が見本市のように持ち込まれる可能性があります。感染者が急増することになれば、新たな“東京五輪株”のような変異株が生まれる可能性は、十分にありえるのです」
このように警鐘を鳴らすのは、医療ガバナンス研究所の理事長で内科医の上昌広さんだ。
すでにアルファ株やデルタ株などの変異株は日本にも上陸した。特に約42万人がコロナによって亡くなったインド発祥のデルタ株は急激に国内で感染を拡大させている。懸念されるのは、さらに強力な変異株の上陸だ。
「人口あたりのコロナ死者数が世界最悪のペルーを中心に、中南米で広がっているラムダ株なども入ってくる可能性が高いでしょう。データは少なく日本でどれほどの影響があるかわかりませんが、デルタ株と同等の感染力と、より強い重症化リスクを指摘する声もあります」