宅配生協で無駄買い回避するポイント「注文は平日分だけ」
スーパーに何度も行くと、ムダ買いが増えてしまう。でも、1週間分のまとめ買いは体力的にもきついし、効率よく短時間ですませるのは、なかなかハードルが高い……。
こうした悩みに真っ向から取り組んだのが『いま見直したい!食材の買いグセみんなの買い物大全』(ワニブックス)だ。「心地よい暮らし研究会」を構成する5人のワーキングママが、それぞれの暮らしに合った効率的な買い物を模索している。
苦行のような買い物ライフを改善するため、心地よい暮らし研究会は宅配生協の利用を提案する。同会のメンバーは異口同音にこう話す。
「生協だけですべてをまかなおうとは思っていません。宅配生協とスーパーの“いいとこ取り”をして、使い分けることが大切です。
宅配生協とスーパーを利用するバランスは、人それぞれ。自分の生活に合った最適なバランスが見つかると、生協は私たちの暮らしをサポートする最強の助っ人になるでしょう」
では、宅配生協とスーパーのバランスはどう決めればいいのだろう。そのヒントになるのが心地よい暮らし研究会の暮らしぶりが似ているメンバー。参考にすれば、自分に合った買い物ルールを探す手掛かりになるはずだ。
■中山あいこさん
めんどうな作業を極力減らしたい中山さんは、買い物ルールを超える“仕組み”を作っている。
「私は生協の冷凍肉や魚が好きで、いつも買っています。パラパラミンチやひと口大にカットされた鶏肉など、必要な分だけさっと取り出して使えるのでとても便利。それに、急速冷凍された肉や魚はとてもおいしいです。
それらはだいたいどれくらいで使い切るかがわかっていますから、『毎週買う』や『隔週で買う』などの自動注文を組み合わせて設定。毎回注文をしなくても勝手に届く“自動化”の仕組みを作っています。食材が余りそうなときは、自動注文を1回休止します」
自動化は、どんな商品にも使えるのだろうか。
「野菜や果物はおまかせセットを『毎週買う』設定で自動化しています。ただ冷凍品は日持ちするのですべて生協でまかなえますが、日持ちしない野菜や果物は週の前半分を生協で買い、後半分はスーパーで買い足します。だから生協6:スーパー4のバランスです。生協を始めてスーパーに行く回数が減ったので、余計なもののついで買いも減って、節約もできるようになりました」
最近、夕飯を作ってくれるようになったという高校生の息子さんとも、こんなルールを共有しているという。
「私がいない間に調味料などをストックから出したときは、必ず報告するように言っています。
そして、聞いたらすぐその場で注文。『後で』と思うと忘れてしまうので。アプリで注文できるのが、在庫管理には役立っています」
■マキさん
以前はスーパーによく行って、ムダ買いも多かったというマキさんには、こんなコツがある。
「私のムダ買いしないコツは、ちょっと少なめに買うことです。生協ですべてをそろえるのではなく、平日5日間の朝食と夕食分を注文するルールにしました。最近はコロナ禍で減りましたが、夫が急に『今夜はいらない』という日も。7日分の食材があると余ってしまいますが、5日分だと余った食材を週末に回せます。それに、週末の2日分だけをスーパーで買うようにしたら、買い物時間もお金もムダが省けて、スーパーでの買い物が楽しくなりました。
私のバランスは生協7:スーパー3です」
ほかのメンバーには「生協で買う商品が決まっている」という人が多いが、その点、マキさんはちょっと異色だ。
「私は固定しているわけではありませんが、週の前半は冷蔵品を、後半は冷凍品を食べることを考えて注文しています。また、コロナ禍で外食が減ったせいで、他人の味付けが恋しく、『ミールキット』という、食材と合わせ調味料などがセットになった商品を買うようになりました。炒めるだけ、煮るだけなので調理も簡単。外食代わりに “よその味”を楽しんでいます。そんな初めての商品を気軽に試せるのも、食の安全性やおいしさに信頼感がある生協ならではだと思います」
■宇高有香さん
「私は15年くらい、スーパーで週1回のまとめ買いを続けてきました。とくに大きな問題はなかったのですが、食品の安全性を意識するようになって、生協の利用を始めました」
そう話す宇高さんは、在庫管理が苦手だったという。
「まとめ買いをしていたころは、どうしても余らせることが多かったです。
冷凍庫の奥から、カチコチに凍った肉が見つかったり、いつ買ったのかも忘れてしまった調味料を捨ててしまったり。でも反対に、食材が足りないことで困ったことはないんですよ。醤油が切れたら、味噌味に変えればいいですし、あるものを工夫すればなんとかなるでしょう」
そんな宇高さんが得意なのが、自己流の“名もなき料理”。生協での注文も細かく献立を考えるのではなく、ざっくりと気になったものを注文しておき、あとはその場勝負で乗り切るという。
「以前からそうでしたが、生協で食材を買うようになってから、ただ炒めただけなどの手抜き料理が家族に『おいしい』と好評です。新鮮な食材のおかげで、堂々と手抜き料理が出せて、働く主婦としては大助かりです」
生協の食材のおいしさや、ほかのメンバーの使い方を知って、だんだんと生協の割合が増えてきたという宇高さんは、現在では生協5:スーパー5だそう。
食材の調達は、家族の栄養管理や家計管理に直結する重要なミッション。今回紹介した「心地よい暮らし研究会」のメンバーを参考にしながら、自分なりのマイルールを作っていこう!