2021年8月12日 11:00
競泳会場は年6億の赤字製造機 五輪関係者のマヒした金銭感覚
国立競技場は五輪後世界記録が認定されなくなる(写真:共同通信)
当初から3倍に膨れ上がった東京五輪開催予算。予算が増えて笑顔になったのは、選手でも国民でもなさそうだ。これらの費用は税金で賄われていることを忘れてはならないーー。
「東京オリ・パラを招致した段階では7,300億円だった大会予算はいまや1兆6,444億円に。東京都や国の負担分を合わせると関連経費は3兆円になります。さらにPCR検査など、コロナ対策による追加費用も発生しています」
そう話すのは、『オリンピック・マネー』(文春新書)の著者でジャーナリストの後藤逸郎氏。後藤氏は、東京五輪では明らかに無駄な費用が発生していると指摘する。
コロナに関する追加費用はわかるにしても、それ以前の大会費用はなぜ増えたのだろうか?
『ブラックボランティア』(角川新書)の著書があるノンフィクション作家の本間龍氏がこう語る。
「当初91億円だったオリ・パラ開閉会式の総予算は、’19年に130億円に増大。さらにコロナ禍の延期を受けて165億円に膨らみました。大会組織委員会には、どのような予算配分で、どう演出するのかをチェックする能力が欠如。