くらし情報『宮本亞門明かす「かつて憎かった父」への怒りが消えた瞬間』

2021年8月20日 15:50

宮本亞門明かす「かつて憎かった父」への怒りが消えた瞬間

僕にはわからない、2人の長い人生があったのだと」

須美子さんは、亞門さんを出産するときの輸血で肝炎を罹患した。

「その影響で、母は年を重ねるごとに具合が悪くなっていきました。それでも母は『1秒もムダにしたくない』と、人生を大切に生きる強い女性でした」

そんな母は生前、亞門さんにこう説いたという。

「舞台の演出家になりたいなら、本物が集まるブロードウエーで磨いてきなさい。すべてを見なさい。目を閉じちゃだめーー」

その言葉が、亞門さんにニューヨーク行きを決意させたのだ。

また当時、妻を亡くし気力を失った父は、息子のアパートに転がりこんでいた。愛妻を亡くして以降活力がない父の姿を見て、「一緒にいるとお互いのためにならない」という思いもあったという。


出発の日、成田空港まで見送りに来た父と抱き合った。そのとき、小さなメモを手渡された。

「そこには『人生、悩むには短すぎる』と書いてありました。悩むために生まれたんじゃない、自分なりに精いっぱい充実した時間を過ごすことで、人は“生きててよかった”と思えるのだと。親父のメッセージが胸に響きました」

その後、亞門さんは’87年に演出家デビュー。

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