くらし情報『コロナ最前線から提言「全医療機関受け入れ要請よりも患者集約を」』

2021年9月3日 06:00

コロナ最前線から提言「全医療機関受け入れ要請よりも患者集約を」

がほしいところ。しかし、多くの病院ではそうした設備は整っていません。個室は荷物とベッドがギリギリ置けるくらいの広さで、古い病院では個室でもトイレは共同ということが多い。動線を分けるスペースもないので、コロナ病床のためにワンフロアをつぶすことになります」

コロナを受け入れる病院が抱えるのがクラスターのリスクだ。万全の感染対策をしていた河北総合病院でも、今年1月に見舞われた。

「職員と患者さん合わせ、約八十数名の感染者が出ました。約40日間、救急と新規の入院患者を受け入れることはできず、病院の機能がストップ。赤字額も6億5,000万円にのぼりました」(河北さん)

■分散は愚策…患者はむしろ集約すべき

医療ガバナンス研究所理事長で内科医の上昌広さんは、クラスターを防ぐためにも「すべての病院が一律でコロナ患者を受け入れるより、役割分担したうえで患者を集約するべきだ」と、考えている。


「感染症の基本は隔離。都内の国立病院や、政府分科会の会長である尾身茂さんが理事長を務めるJCHO(地域医療機能推進機構)を合わせれば3,000近く病床がある。その半分でいい。完全にコロナ専門病院にして、それ以外の病気を周辺の病院で受け入れる態勢を作れば、現在の危機も、真冬の流行期にも対応できるはずです」

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