くらし情報『江川紹子さん「菅首相を追い込んだ首相会見の“更問い”禁止の自縛ルール」』

2021年9月9日 06:00

江川紹子さん「菅首相を追い込んだ首相会見の“更問い”禁止の自縛ルール」

“更問いの禁止”です。結果として、首相との対話が難しくなっているのです」

“更問い”というのはマスコミ用語で、追加質問のこと。多くの人に質問の機会を作るという建前のもと、一度質問をしたら、さらなる質問を重ねることを禁じるというルールだ。結果、首相の回答がまったく体を成していなくても、質問者はそれ以上の追及ができなくなる。

「こうしたルールは菅さんや安倍さんが作ったものではなく、首相を困らせてはいけないという、周囲の官僚の過剰な忖度が生んだものだと考えています」

江川さんは菅首相とのやり取りで、質問に答えていないと、さらに質問を重ねようとしたが、内閣広報官に遮られている。

■質問を重ねられないから真意がわからない

こうしたルールが菅首相自身の首を絞めたと江川さんは指摘する。

「7月30日の会見で、菅首相は『人流は減少している』と言い、大きな批判を浴びました。現実として街に出ればいっぱい人がいるし、電車は満員なわけです。
一般の人は『えぇ?』と疑問に思う。もし、さらに記者に問われれば、菅首相も“〇〇のときと比べてこれくらい減っている”というような説明ができたのかもしれない。でも、“更問い”は禁止ですから、国民の疑問は置き去りにされたまま、政府は実態がわかっていないのではないかという不信感だけが残りました。

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