2021年9月9日 06:00
江川紹子さん「菅首相を追い込んだ首相会見の“更問い”禁止の自縛ルール」
そのような状態で、“国民にいっそうの協力を”と言っても伝わるわけがありません」
8月25日の会見では「明かりははっきりと見え始めています」と言い放った。
「多くの人たち、特に飲食関連の産業に従事しているような人にはまったく明かりが見えていないなかで、そんな実態とかけ離れたことを言われても、『どういうことですか』と聞けないわけですよ。対話は疑問に答えて、はじめて成り立つ。なのに、最初から拒否でしたから」
こうした会見の“悪習”は次期政権にも引き継がれるのだろうか。
最後まで国民と向き合うことがなかった菅首相。次期首相には、用意した紙を読むのではなく、ぜひ“自分の言葉”で話してほしいと江川さんはいう。
「“この総理大臣はこう考え、こういうところに悩み、こういうふうに頑張ろうとしているのだ”と伝えるのが大切です。その姿が見えれば、国民からの信頼も得られるし、協力しようという気持ちも生まれる。
このコロナ時代も乗り切れると思います」
“対話力”のある総理大臣を期待したい。
【PROFILE】
江川紹子(えがわ・しょうこ)
東京都出身。神奈川新聞社会部記者を経て、フリーランスに。オウム真理教の取材などで知られる。情報サイト「ビジネスジャーナル」で「江川紹子の『事件ウオッチ』」を連載中。
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