2021年9月15日 11:00
五輪の強硬開催、病床逼迫…菅政権の失策は「話聞かない」が根本原因
ワクチン接種のスタートが遅れたことも、感染拡大につながった。
海外では昨年12月から始まっていたワクチン接種。一方、日本で高齢者を対象に接種が始まったのは、4月になってから。その後、接種は進むが、国内で2回目を終えた人の割合は50%にやっと到達したばかりだ。
河野太郎ワクチン担当大臣は、厚生労働省が米国での治験データを不十分として、日本で再治験をしたことで接種開始が遅れた、とラジオ番組で語ったが……。
危機管理に詳しい株式会社リスク・ヘッジの田中優介さんが語る。
「慎重になるあまり、平時と変わらない対応をとる厚労省に対して、菅首相は、せっかく手にした強い権限を発揮し、五輪をテコに、世界に先んじて日本中にワクチンを行き渡らせることもできたはずです」
■ワクチン一本足打法が招いた病床逼迫
8月13日には、1日当たりの新規感染者数が2万人を突破。感染の拡大に伴い、入院ができず自宅療養を強いられる患者も増加した。
8月22日には、東京都の入院調整者数は1万4,726人を記録。さらに、入院できず、自宅療養中に亡くなる事例も相次いだ。
「菅政権は、医療提供体制が危機的な状況に陥り、『中等症は自宅療養』という方針を出しました。