2021年9月16日 11:00
医師が解説ブレイクスルー感染「ワクチンは既知の変異株にも有効」
(米国立研究機関の博士研究員・峰宗太郎さん)
時間がたつとともにワクチンで得た抗体は減ってしまう。
「抗体が減るまでには個人差があるものの、2回接種して半年から8カ月後くらいが目安。そのころからブレイクスルー感染は多くなると考えられています。そのため、検討されているのが3回目接種です。イスラエルでは3回目の接種がすでに始まって2〜3割の人が終わっていますが、86%の感染予防効果があるといわれています」(埼玉医科大学の松井政則さん)
ワクチンには感染予防・発症予防・重症感染予防の3つの役割があるというが、抗体が減っても、重症感染予防に関しては一定期間、持続するという。
「重症感染予防に重点を置くなら、一般の人への3回目の接種は今は時期尚早です」(峰さん)
ちなみに、北海道で医療機関に出入りする80代男性が“免疫が上がるから”と、4月から7月にわたって計4回も不正にワクチン接種したことが報じられたが。「抗体がたくさんあるときにブーストしても、意味はありません」(松井さん)
【Q2】新たな変異株でリスクは高くなる?
従来株に比べて、変異株にはワクチンが効きにくい。ただし、重症化を防ぐ効果は、現在存在している変異株に対しても期待できるという。