2021年10月4日 06:00
松田聖子の“別れと出逢い”に重なった『天使のウィンク』
の作詞・作曲をした尾崎亜美によるもの。締切りの直前に制作の依頼があり、短期間で作られたという逸話もある。
「尾崎さんの歌声、そして曲調にも、女の子らしさ、かわいらしさがあふれていました」
『白いパラソル』(’81年)以降、聖子の曲は松本隆が作詞を手がけていたが、突然、尾崎に白羽の矢が立てられたことになる。大きな転換の前後に、偶然にも私生活では大切な人との別れと、のちに伴侶となる俳優との交際が待っていた。
聖子は同曲のリリース直前に、自ら郷ひろみとの破局会見を開き、さらに約半年後、神田正輝と結婚し、しばらくは芸能活動を休止すると発表。
「同曲のリリース直前の聖子さんの心には、さまざまな思いがよぎっていたのでしょう。『夜のヒットスタジオ』(’68〜’90年・フジテレビ系)で小坂明子さんの『あなた』(’73年)を歌いながら、感極まって泣いてしまうという出来事があり、さまざまな臆測を呼びました」
聖子が涙ながらに熱唱する映像の合間に、ちょうど番組に出演していた郷ひろみの姿が、カットインされたりもした。「ちなみに『天使のウィンク』のカップリング曲『七色のパドル』は、小坂さんが作詞したものです」