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退職金でローンの一括返済はNG!コロナ時代の住居費新常識

女性自身
退職金でローンの一括返済はNG!コロナ時代の住居費新常識


想像だにしていなかったコロナ禍で私たちの「常識」はことごとく変わってきましたが、お金だって例外ではありません。新しい時代の「お金の常識」をしっかり身につけて、来年こそお金を貯めよう!

「コロナ前は当たり前だったお金の使い方が、ウィズコロナの時代にはそうではなくなるなど、お金にかかわる価値観がガラッと変わりました。こんなときだからこそ、変化に対応して“負けない家計”を作りましょう。今は生活がキツいかもしれませんが、できることはたくさんあるはずです」

そう話すのは、『こんな時代でもラクラク貯金ができる!○×でわかるお金の正解』(KADOKAWA)の著者で、家計再生コンサルタントの横山光昭さん。

固定費の中でも大きな比重を占めるのが、「住居費」。この金額が大きすぎると家計を圧迫してしまい、ほかの支出を抑えても、お金が貯まらない状態になってしまう。

「住まいに対する考え方は人それぞれだと思います。ですが、『貯蓄する』という観点からいうと、住居費の理想的な割合は、『手取り収入の25%以下』です。
たとえば、毎月の手取りが30万円の人であれば、月々7万5,000円以下となります」(横山さん・以下同)

コロナ禍前までは、通勤に便利な地域に住む「職住接近」を選択する人が多かったが、リモートワークが普及してきた現在、自然豊かな郊外や地方で暮らしたいと考える人が出てきた。

そうした新天地での生活を始めるにあたって、住まいは賃貸がいいのか、それとも安い物件なら買ってしまったほうがいいのかは悩ましいところだが……。

「持ち家か賃貸かというのは永遠のテーマですが、生活スタイルが大きく変化するなかで、物件の価格が大きく変動していることはたしかですね。また、私個人的には、夫が定年退職するまでにローンを完済できるのであれば、買ってしまったほうがいいと思いますが、転勤が多いなどの事情によって判断は異なってくるでしょう。ただ確実にいえるのは、50代、60代の方で、持ち家がないからといって、退職金で慌てて家を買うのはおすすめできない、ということ。定年後に地方の実家に戻ることになれば、余計な家がひとつ増えてしまうことになりますし、介護施設に入る可能性も考慮するなら、そのためのお金としてとっておいたほうがいいと思います」
■退職金は老後資金に回すのがベスト

「かつて、住まいは資産になる持ち家が理想という“持ち家神話”がありましたが、その神話はもう崩れました。場所によっては資産価値がほとんどないこともあり、資産どころか、かえって管理コストばかりがかかる“負動産”になってしまう恐れがあります。これからの時代は、ライフスタイルに合わせて賃貸を選ぶという選択肢はありだと思います」

高齢になると賃貸契約をする際、保証人がいないことが問題になるが、高齢者を対象にした「保証人制度」も増えているので慌てる必要はない。


また、すでに家を購入している人も、退職金をあてにしたローンの一括返済や、ボーナス併用払いをしている人は注意が必要。

「このご時世では退職金の金額が減ってしまうことも考えられますが、それでも退職金は老後資金に回すのがベスト。退職金でローンを一括返済してしまうと、不測の事態に備えた蓄えがなくなってしまいますから。ローンが残る間は働き続けて、なるべく月々の手取りの25%以内で返済計画を立てましょう。ボーナス併用払いにしている人も、ボーナスの減額に備え、ボーナス返済分を1カ月分にならして収支を見直しましょう」

利息を払うのは1円だってイヤ、とばかりに繰上げ返済をやりすぎるのも間違いだそう。超低金利が続いている間は、住宅ローン控除の額が利息の支払い額を上回ることも多いので、やみくもに繰上げをする必要はないというのだ。

【これまでの常識】

・住まいは持ち家が理想
・住宅ローンは退職金で完済する
・住宅ローンは繰上げ返済すべし

【これからの新常識】

・ライフスタイルに応じて賃貸もあり
・退職金は老後資金として確保
・住宅ローン控除を上手に活用

高額な「住居費」をなるべく抑え、老後の病気や介護に備えた資金を手元に残しておくのがこれからの新常識!

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