2021年12月1日 06:00
中井貴一『雲霧5』で大騒動…松竹と老舗メーカーがかつらの所有権巡り泥沼訴訟
(映画関係者)
■“沈黙”に秘めた中井の時代劇への危機感
撮影の途中で、訴訟問題のせいでかぶっていたかつらが”消失”――。しかし中井は、淡々と事態を受け止めたという。
「長年愛用してきた特注のかつらは、けっして一朝一夕にできるものではなく、新しいかつらは、すぐになじむものじゃありません。でも中井さんは文句のひとつもこぼさず、作り直しに協力していました」(前出・芸能プロ関係者)
出演者たちを巻き込みながら、なぜお互い一歩も引かずに、かつらの所有権を主張するのか――。本誌が松竹撮影所に取材を申し入れると、こう回答があった。
「対象のかつらは、八木側がもともと自作して常備・保管していたかつらではなく、当社での撮影のためにかつらの製作費と修理費をすべて当社が負担して製作され、かつらを撮影所ですべて保管し、当社が使用したいときに撮影に使用してきたものです」
一方、八木かつら側の主張は異なる。同社はこう話す。
「かつらは、当社が自らの費用で製作し、管理し、他の会社の業務にも使用してきたものです。
所有権を松竹撮影所に移すという合意はありません。当社の所有物として火災保険もかけていました。