くらし情報『ワクチン打てず就職もできない“無戸籍者”24時間相談受付のNPO』

2021年12月19日 06:00

ワクチン打てず就職もできない“無戸籍者”24時間相談受付のNPO

そこにいるのに「存在しない人」扱いになる人々を放ってはおけないという市川さん

そこにいるのに「存在しない人」扱いになる人々を放ってはおけないという市川さん



「私は、隣にいるゲンさんの代理人で市川といいます。今日、ここに来たのは、今まさに彼の命に関わる状況があるからです。ただ私たちは法律には素人で、正直、わからないことも多いです。だからどうか追い返さないで、まず、どんな手続きが必要かというところから一つひとつ教えてください」

12月初旬、大阪市にある韓国領事館。窓口のパーティションぎりぎりに詰め寄り、担当者の目をまっすぐに見ながら熱い口調で話すのは、市川真由美さん(54)。奈良市のNPO「無戸籍の人を支援する会」代表だ。

担当者は、市川さんの迫力に気おされたわけではないだろうが、その後、丁寧に仮パスポートの申請について説明してくれた。

傍らで不安そうにしていたゲンさん(60代・仮名)の来し方について、市川さんが話してくれた。


「ゲンさんは、12歳のとき、韓国から船底に入れられて日本に連れてこられ、強制労働させられました。その後はまじめに働きながら成人し、やがて日本人女性と暮らすようになり、2人で居酒屋を始めて繁盛させます。ですから、ご自分が韓国籍というのはわかってますが、ここ日本では半世紀以上も無戸籍状態、いわば“存在しない人”でした」

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