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医師に聞いた続けるべき感染対策「トイレの“フタ”は今後も習慣に」

女性自身
医師に聞いた続けるべき感染対策「トイレの“フタ”は今後も習慣に」


オミクロン株が世界で急速に拡大するなか、最も重要なのは“これまでどおりの感染対策”だ。中国で新型コロナウイルスが発見されてはや2年。これまで提唱されてきた感染対策のなかには間違ったもの、現実にそぐわないものもある。

「すべてを完璧にこなそうとすると精神的にも疲弊します。ある程度の“仕分け”をしてもいいかもしれません」

そう語るのは、東北大学災害科学国際研究所の医師・児玉栄一さん。では、感染者がある程度、抑制できている現在の日本において、年末年始はどこまで対策すべきなのか。専門家に聞いたーー。

■続けるべき対策

3密回避、マスク着用、手洗い、ワクチン接種は基本中の基本。
「ナビタスクリニック」理事長で内科医の久住英二さんはこう語る。

「マスクで50%、手洗いで50%、距離を保つことで25%ほど感染リスクを下げられるといわれます。オミクロン株対策のためにも、3回目のブースター接種はなるべく早くに受けておきましょう」

マスクの種類も重要だ。

「世界中で、効果的な素材が研究されていますが、どのデータでも一般の人にとって1位となるのは不織布です。しかし、いくら不織布でも鼻を出した状態では無意味。正しく装着しましょう」(児玉さん)

■できれば続けるべき対策

カラオケの自粛は、もう少し続けたほうがいいかもしれない。

「歌う行為で飛沫が飛びます。コーラスで感染が広がったケースもありました。
どうしてもカラオケをする場合は、いつも一緒にいるメンバーや家族など限られた人で、広めの部屋を選びましょう」(久住さん)

コロナウイルスは便にも混じっているため、トイレを流す際、便座のフタを閉めることが呼びかけられていたが。

「ノロウイルスなど、コロナ以外の対策にもなるので、今後も続けていい習慣ですね」(久住さん)

■感染者が増えなければ、やめていい対策

新規感染者が全国で300人以下に抑えられている現在の感染状況が続けば、’21年末に自粛していた行為をある程度、解禁しても構わない。米国立研究機関の博士研究員・峰宗太郎さんはこう語る。

「自粛していた忘年会や新年会は、感染状況が落ち着いていれば行ってもいいでしょう。マスク会食は難しい部分もありますが、料理は小分けしてもらう、密にならないようにし、定期的な換気をしてくれる店を選ぶなど、対策を忘れずに」
屋外のスポーツ観戦、話さないクラシックコンサートや映画鑑賞なども、基本的な感染対策をすれば、自粛しなくてもよさそう。

「初詣でも問題ないでしょう。鈴を鳴らしても、そのあと手洗いすれば安心です。混雑を避けるため、元日にこだわらないほうがいいでしょう」(久住さん)

帰省を計画している人は?

「新幹線の移動中、到着先でお酒を飲んで騒がない、風邪症状があれば中止しましょう。
帰省前に抗原検査をする人もいますが、無症状の場合は約50%も見逃されるので、過信は禁物」(児玉さん)

また、うがいによる感染対策も。

「口腔内の洗浄には役立ちますが、水が行き届かない喉や鼻の奥で感染しているので、あまり効果は期待できません」(児玉さん)

■やめていい対策

家庭内マスクは家族に感染者がいなければ、「現実的には無理がある」というのが、専門家の一致した考え。家庭内の感染対策では加湿器の水に次亜塩素酸を混ぜる“空間除菌”を実践した人もいるはず。

「濃度が高いと肺へのダメージになるのでやめるべき」(久住さん)

「飛沫が発せられて、人の体内に飛び込むまでの一瞬で無害化するのは無理です」(峰さん)

マスクにフェースシールドをつけている慎重派の人もいるが。

「患者さんに近距離で接する医師や、介護士でなければ、マスクだけで十分です」(児玉さん)

最後に久住さんがこうアドバイスする。

「年末、仕事や忘年会が立て込み、疲労が原因で正月に風邪をひいてしまう人もいます。睡眠時間をとる、暴飲暴食をしないなどの体調管理も、感染対策です」

オミクロン株を含むウイルスの動向に注目しつつ、ストレスをためないシンプルで正しい感染対策で、年末年始を乗り切ろう。

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