ピザを半分食べられた、食べ物からタバコの臭い…出前で遭遇した“ヤバい”配達員
コロナ禍でいっきに利用が拡大したフードデリバリーサービス。日本能率協会総合研究所は、‘19年度に1,700億円だったフードデリバリー市場の規模が、‘22年度に3,300億円まで拡大すると予測している。
利用が増えるとともに、増加しているのが配達時のトラブルだ。今回、本誌がWEB上でのアンケートによりトラブルの実態を調べたところ、2人に1人が出前を利用した際になんらかのトラブルに遭遇したと回答している。現役の配達員に、トラブルを避けるためのアドバイスとともに、どのような事例があったのか見ていこう。
■お寿司の原型がないほどグチャグチャ
最も多く寄せられたトラブルは、届いた食事の中身に問題があるというもの。
「汁ものを注文したんですが、袋に全部こぼれていて……食べれる状態ではありませんでした。サービスの会社にも連絡しましたが何も対応してくれませんでした」(40代・女性)
「つけ麺を注文したんですが、麺が入ってなかったです。
お店に電話し、料金をキャンセルしてもらいました」(20代・男性)
「配達員は車での移動だったようで、配達された品物やパッケージ全体が、タバコのニオイがついていた。サンドウィッチを注文したが、きもちわるくて食べられなかった」(40代・女性)
「お寿司を注文した時にお寿司の原型がないくらいぐちゃぐちゃだった」(20代・女性)
あまりに崩れなどがひどい場合は、サービス側に連絡をすることで返金などの対応を取ってくれる場合もあるようだ。ただし現役の出前配達員は、配達が乱暴なことだけが食品の崩れにつながるわけではないと語る。
「配達の仕方だけでなく、料理の種類や梱包の仕方によっても崩れやすさは変わってきます。デリバリー経験がないお店だと容器の知識がない場合もあるので、配達サービスだけでなくお店側に一報入れることも検討してみてください」
■配達予定時刻から2時間遅れて到着
その次に多かったのは配達に時間がかかる、というトラブル。表示される配達予定時刻から、大幅に遅れるケースもあるようだ。
「アプリに登録してある住所への配達だったが、配達員さんが道に迷ってしまい、到着予定時間より1時間半以上かかって料理が冷めきってしまった」(20代・女性)
「30分以上遅れて配達、連絡なし」(30代・女性)
「時間より2時間遅れて到着した」(30代・女性)
「電話が掛かってきて『今近くにいるんですけど家が分からないです』と言われ、結局家から出て近場まで取りに行かないといけなくなった挙句、『マップに目印ちゃんと付けといて下さいね!』と捨て台詞を吐かれました。他の配達員の方はちゃんと届けてくれていたので運悪く嫌な配達員に当たってしまったと思いました」(20代・女性)
配達に時間がかかる原因は、店の調理が込み合っている、崩れやすい料理のため配達に時間がかかっている、配達員が迷っているなどのケースが想定されるという。
「マンションの場合入り口がわかりにくかったり、路地裏だとどの建物かわからないことも。目印や入り方などを教えていただけると、迅速な配達につながります。住所に建物名は必ず入れておいて欲しいです」(前出・現役配達員)
■寿司を自分で並べ直すヤバい配達員も……
トラブルのほとんどは「食品の崩れ」「配達の遅れ」だったが、中には“ヤバイ”配達員に当たってしまったというケースも。
「職場で頼んだLサイズのピザが半分以上も食べられた状態で届いた。頼んだ人が諦めて残りを食べていました」(40代・女性)
「配達途中で崩れたのが分かったのか道端で寿司を開けて並べ直していました。受け取り拒否しました」(50代・女性)
「置き配にしたら、オートロックの外に置かれた」(20代・女性)
「我々の前で店に『(おつりが入った)正しいポーチを渡してくれなかった』と文句を言い続け『お釣りは出せないからピッタリで支払って!』と言われた」(50代・女性)
「届かないなどのトラブルが怖いため、置き配(玄関先などに置いていくサービス)は利用せずに注文したが、なかなか届かず、アプリ上で配達が完了したと通知が来て初めて届いていることに気づいた。玄関先に注文した品は置いてあったが、インターフォンは鳴らされなかった。温かい料理が冷めていて残念に思った」(20代・女性)
このような場合はサービス会社に連絡をするしかなさそうだ。
「配達員に対して評価がつけられるサービスなら、容赦無く低評価をしていいと思いますよ。サービスの改善にもつながるし、改善されないまま低評価がたくさん溜まると辞めさせられることもあります」(前出・現役配達員)
自宅で、お店の料理が食べられるフードデリバリー。今後さらに普及が進むことで、トラブルの数も減っていくことを願うばかりだ。