2021年12月30日 11:00
美輪明宏が考える、日本人がマスクをきちんとつける理由
しかし、新型コロナウイルスへの感染によって、世界全体で累計500万人以上も死者が出るようなことはありませんでした。
いま日本は、感染者数が減少しておりますが、ドイツや韓国といった国々では、逆に感染が広がっています。昔からドイツ人は、物事を論理的に考えるそうですが、理屈っぽくて頑固ともいわれます。
ニュース映像を見ていると、感染が拡大しているにもかかわらず、街ではマスクを着けていない人が多いことに驚きます。マスクをしない理由は、そういった頑固さからきているのかもしれません。
一方、感染者が減少している日本はどうか。マスクを着け続けることにそれほど抵抗がありません。どうしてだとお思いになります?“感染対策の意識が高いこと”や“周りに迷惑をかけてはいけない”という理由もあるでしょう。
私は、それ以外にも日本の服装の歴史が大いに影響しているのではないかと考えております。たとえば、江戸時代に広く用いられた「頭巾」です。頭や顔を包む布製の被り物で、僧侶や武士、町人らが、防寒、ほこりよけ、そして人目を避けるために使っていました。女性たちも外をお忍びで歩くときは、「御高祖頭巾」という紫の頭巾を被っていました。