テーブルクロスで即席カーテンを…100均グッズで暖房費カット
本格的な冬を迎え、暖房器具が活躍する時期になったが、気になるのは暖房費の高騰。電気代、ガス代、灯油代は値上がり続け、家計にずしりとのしかかる。
「暖房費の節約には、省エネ性能の高い最新の暖房器具に買い換えることが効果的です。でも、100均ショップのグッズを使えば、お金をかけずに、十分な節約効果が期待できるのです」
そう語るのは節約アドバイザーの丸山晴美さん。100〜300円ほどで、さまざまなものが購入できる「100均ショップ」。じつは、100均ショップには暖房代を削減できる便利なグッズがあるという。暖房費を下げるポイントは「窓」「保温」「湿度」「ウオームビズ」だ。
■窓から冷気を入れない
【窓の断熱性を高める】
日差し&冷気をシャットシート:100円/ダイソー
窓ガラス断熱シート(90×90センチ):100円/ダイソー
窓用バブルシート(180×45センチ):300円/3COINS
いずれもガラスに霧吹きで水をスプレーするだけで簡単に貼れる。
光は通すが、外の冷気は通しにくくなるので、室温のアップが期待できる。
【カーテンの微妙な隙間を消す】
あったかボード(200×30センチ):300円/ダイソー
室内側のカーテンの裾に立てて使って、カーテンの下からの冷気を防ぐ。窓側に立ててもいい。
【小窓に即席の断熱カーテンを】
テーブルクロス(透明・120×150センチ):100円/ダイソー
伸縮式つっぱり棒(115×190センチ):200円/ダイソー
伸縮式つっぱり棒(70×120センチ):100円/ダイソー
つっぱり棒と透明なテーブルクロスを使えば、カーテンロールのない小さな窓でも即席の断熱カーテンを作れる。つっぱり棒をはり、テーブルクロスをたらそう。透明なものを使えば、明るさは失われない。
「室内の熱の58%が窓ガラスから逃げ出していきます。断熱シートやプチプチのシートを窓に貼るだけでも冷気の侵入を防げます。
100均ショップでも窓対策グッズが売られていますが、素材を組み合わせて即席の断熱カーテンを作って窓を覆うのも効果的。設定温度を1度下げると、エアコンでひと冬1,430円、ガスと灯油ファンヒーターでそれぞれ1,320円と880円も、暖房費が節約できます」(丸山さん・以下同)
■熱を閉じ込めて逃がさない
【お風呂のお湯にも“お布団”を】
アルミシート(180×90センチ):100円/キャンドゥ
アルミと発泡ポリエチレンのパワーでお湯の熱を逃がさず、追いだきの回数削減に。使用時はアルミ面を下にして使用しよう。
【こたつやカーペットの熱を床に奪わせない】
アルミジョイントマット(45×45センチ):100円/ダイソー
保温アルミシート(180×180センチ):300円/ダイソー
ジョイントマットは何枚か組み合わせて使う。はみ出たぶんはハサミでカットできる。こたつやホットカーペットの下に敷けば、床に奪われる熱が減り、暖房の効率が飛躍的にアップする。
【ドアがなければ、作ればいい】
シャワーカーテン(138×180センチ):100円/ダイソー
暖める範囲が狭いほど、暖房の効率は高まる。つっぱり棒と組み合わせれば、リビングに接した隣室や廊下の間に簡易の仕切りを作ることができる。
【廊下からの隙間風をシャットダウン】
すきまテープ厚手幅広タイプ(2メートル):100円/ダイソー
隙間風防止ファークッション:300円/3COINS
「すきまテープ」を引き戸、ふすま、障子の隙間に貼ると、部屋の保温性がアップする。騒音対策にも。「ファークッション」はドアの下に置くだけで、廊下からの冷気を防ぐことができる。
「ふただけではなく、レジャー用のアルミシートをお風呂で使えば、お湯の熱を逃がしません。追いだきの回数を減らせば年6,190円の省エネ効果が期待できます。またこたつやホットカーペットの下にアルミフィルムがついたシートやマットを敷くことで床からの冷気を遮断し、熱が床方向に逃げることも防ぎます。それにより設定温度を『強』から『中』に下げることができ、1シーズンでホットカーペット5,020円、こたつ1,320円の節電効果があります」
熱をうまく閉じ込めて、暖房を使う時間を1時間短縮できれば、エアコンでひと冬1,100円、ガスファンヒーターで2,150円、石油ファンヒーターで1,470円の省エネ効果があるという。
■暖かくなる湿度を保つ
【湿度が高いと、体感温度も高くなる】
ペーパー加湿器:100円/ダイソー
温・湿度計:100円/ダイソー
湿度40〜60%がもっとも暖かく感じ、結露しにくい。
「ペーパー加湿器」は、コップ1杯の水にさし込み、室内が乾燥すると自然気化式で水分を蒸発させてくれる。「温・湿度計」をときどき確認して、部屋の温度と湿度を管理しよう。
「100円で手に入る温度・湿度計は強力なサポーター。とくに湿度はチェックしてください。室内が乾燥すると皮膚から水分が蒸発して気化熱を奪うため体温が低下します。湿度を上げると体感温度がアップします。とはいえ湿度が高すぎると結露の原因に。湿度40〜60%を維持しましょう」
■ウォームビズで暖房に頼らない
【防寒グッズで体の熱を生かす】
ネックウォーマー:100円/ダイソー
レディースふわふわアームウォーマー:100円/キャンドゥ
ひざかけ(ケーブルニット風・60×80センチ):300円/ダイソー
レディースふわふわレッグウォーマー:100円/キャンドゥ
ルームシューズ(裏ボア):300円/キャンドゥ
サウナスーツ(下半身用):100円/キャンドゥ
人間の体はそもそも熱を発しているので、それをうまく活用しよう。
太い血管が通っている首元や、冷えやすい末端部を温めると効果的。それでも寒い人には、ダイエットにも使うサウナスーツという秘密兵器も。
【トイレにも洋服を】
はるピタッ便座シート:各100円/ダイソー
冬にはうれしい暖房便座も、設定温度を「中」から「低」にするだけで710円の節電に。便座シートをつければ、冷たさを感じない。洗濯OKなのもうれしい。おすすめはもこもこの起毛タイプ。
「寒いと思ったら暖房の設定温度を上げるのではなく、衣類で温度調節するクセをつけることです。大事なのは首、手首、足首の“3つの首”を温めること。
太い血管が流れているため、温められた血液が全身を巡るのです」
今は自宅に複数の暖房器具がある家庭も珍しくない。100均グッズのサポートがあれば、1,000円ほどの支出で、この冬1万円以上の暖房費の削減も可能だ。
「100均ショップは素材屋さんという発想でグッズを組み合わせたり、違う用途で使ったりするなど楽しみながら、さりげなく使うことで心豊かな節約生活ができます」
100均グッズで心も懐ろも暖かい冬を過ごそう。
※価格はすべて税抜き。節電・節約効果は、資源エネルギー庁HPを参照