家族の食費を劇的に削減させる「1週間サイフ」のすすめ
2022年が始まってはや1カ月。年のはじめに「今年こそは節約したい!」と思ったものの、なかなか実行できていない人も多いのでは?家計全般を見直すのは結構な手間。そもそも、家計簿をつけること自体が面倒くさい!
そこで、家計再生コンサルタントの横山光昭さんが提唱するのが「1週間サイフ」。食費用の財布を1つ用意し、家族全員の食費はこの財布からのみ支払うようにする。そして、1週間単位で食費の管理を行うだけの節約術だ。
「これまで2万人以上の方々から『家計を改善したい』というご相談を受けてきましたが、その中で見直すべき項目ナンバーワンが〈食費〉です。食費は使った分に応じて金額が増減する〈変動費〉の中でも、使おうと思えば毎日いくらでも使えてしまう項目。おまけに日々支払うものなので俯瞰して見にくく、つい使いすぎてしまいます。
つまり、食費を制することが、家計を制する第一歩なのです」(横山光昭さん、以下同)
実際に「1週間サイフ」によって、月十数万円もあった食費が半額以下になったという人が続出。なかには食費を見直したことで家計を管理するスキルが向上し、1年で330万円も貯蓄を増やした夫婦もいるという!
節約力・貯金力をアップしてくれる1週間サイフ。そのやり方を、さっそく詳しく見ていこう。まずは「現状把握」から。
【「食費用の財布」を用意】(STEP1)
「これは、〈食費〉と〈それ以外〉のお金を物理的に分けるため。食費は2分類しますので、入れ口は2つ以上あったほうが便利でしょう。ただしこの時点では、お金はまだ入れなくて結構です」
■食費分のレシートを食費用財布に入れていく
【「何を食費とするか」を家族と話し合っておく】
「家計再生のプロセスにおいて〈食費〉とは自炊分を指します。しかし、たとえば夫婦共働きで昼も夜も外食中心という場合、自炊分だけを食費と定義づけると抜け穴だらけになってしまいます。
また、ラップやゴミ袋などの日用品を、スーパーなど食材と同じ店で買っていることが多いのであれば、レシート管理のしやすさから食費にまとめることも可能。各家庭のスタイルに応じて『食費』の定義をつけておきましょう」
【これまでどおりの食生活を送り、食費分のレシートを「食費用財布」に入れていく】(STEP2)
「この時点ではまだ〈食費用財布〉にお金は入っていませんので、もともと持っていたお財布を使って支払いをします。ただし、食費分のレシートを〈食費用財布〉に入れていきましょう。このとき、日々の食費分と、1カ月に1回程度の頻度で購入する米代などのレシートは、別の入れ口で保管します」
レシートがない場合は代わりのメモを入れておく。
【1週間たったら集計。これを4週間繰り返す】
「これによってわが家の大まかな消費傾向が〈見える化〉するはずです。4週間繰り返すのは、出費の波を平準化した実績を得たいから。集計が終わったら、週あたりの平均支出を算出しましょう。
日々の食費分と米代などは分けて集計してください」
ここまで来たら、いよいよ「1週間サイフ」の運用開始!
【2割節約となる現金を食費用財布に入れる】(STEP3)
「目安は実際に使っていた額の2割減。1週間の平均支出が2万円だったのなら、1万6,000円を食費用財布に入れましょう。米代などは1カ月分の予算額を別の入れ口に。もしもの場合に備え、予備のお金もここに入れておきます」
あとはこの財布に入った現金のみで、1週間やりくりするだけ!
■家族の協力が必須。家計の状況を全員で共有しよう
「重要なのは、現金主義の習慣をつけること。クレジット払いなどのポイント還元は魅力的ですが、家計簿をつける必要がないのは、財布に残っている現金を見れば、週予算の残額が見えるからです。ほかの決済方法を併用すると支出の管理が煩雑になり、結果、食費の抑制になりません」
途中でお金が足りなくなったら「予備のお金」で乗り切るが、翌週はこの金額を差し引いた予算でやりくりすることを忘れずに。
1週間がたったら財布をリセット。
これをひたすら繰り返そう。
「もし財布にお金が残ったら、貯金しても使ってもOKです。ただし、成功には家族の協力も欠かせません。せっかく〈1週間サイフ〉を作っても、ほかの家族が別で食費を無駄遣いしていたら、意味がありませんからね。そのためにも、食費の定義づけを話し合う際に、家計の状況を家族全員で共有しましょう」
毎月8万円の赤字に苦しんでいたある40代の夫婦は、中学生と小学生の子ども2人に窮状を明かしたうえで、「1週間サイフ」を実行。
すると、共働きで忙しい両親に代わって子どもたちが自炊をするようになり、総菜などで月に11万円かかっていた食費が約5万円にまで減少。借金完済のめどもつき、あとは家計を黒字に転換していくだけという。
まさに、食費を制するものは家計を制す!お財布ひとつで始められるカンタン節約術で、今度こそ貯蓄体質を目指しませんか?