専門医が高齢者のワクチン3回目接種に「モデルナ」を推奨する理由
つまり、高齢の感染者や重症者のピークはこれからやってくるとも考えられます。一刻も早く、多くの人が3回目のワクチン接種をすることが命にかかわるような重症者の数を抑えるカギになるでしょう」
ところが、国内での3回目のワクチン接種率は4.4%(2月3日時点)にとどまっている。
接種率が伸び悩むのは、堀内ワクチン担当大臣が呼びかけるように、モデルナ社製ワクチン(以下、モデルナ)を敬遠する人が多いことも要因のひとつだ。森内先生はこの状況に首をかしげる。
「モデルナは有効性が高く、持続期間が長くなる一方、若い人を中心に熱や倦怠感などの副反応が出ました。若い人にはワクチンの効果も副反応も強く出る傾向があります。発信力のある若い世代から、モデルナに対する漠然とした不安感だけがSNSなどを通じて広がってしまったのでしょう」
モデルナの副反応では、若い男性に心筋炎が起こることが指摘されていたが、心筋炎はモデルナでもファイザー社製ワクチン(以下、ファイザー)でも、起こる頻度はごくまれだという。「とくに高齢者の方は子どもや孫から副反応の話を聞いて、なんとなく物騒に思っているのかもしれませんが、モデルナは高齢者に関しては副反応があまり出ません。