コツは現金払い お金が「漏れない」財布で月3万円貯まる
節約意識は高いはずなのに、なぜかお金が貯まらない……。つい先ほどまで財布の中に1万円札があったと思ったのに、いつの間にか消えている……。そんなあなた、財布の中の「現金」を見直してみませんか?キャッシュレス化が声高に叫ばれる今こそ“現金主義”に立ち返ることで、みるみるお金は貯まっていくのです--。
「まずは次のチェックリストをやってみてください。ひとつでもチェックが入った人は、クレジットカード生活をいったんやめて、現金生活に戻りましょう」
こう話すのは、お金の悩みを持つ7,000人以上の女性をサポートしてきた実績を持つマネーコンサルタントの市居愛さん。
【あなたの「お金意識」をチェック!】
□ 毎月の支出が収入を上回り、赤字である
□ 1年間の貯蓄額が50万円以下である
□ 貯金の総額が生活費6カ月分以下である
□ 現在、リボ払いや分割払いをしている支払いがある
□ クレジットカードでキャッシングしたことがある
「クレカ払いはお金を使っている感覚をマヒさせ、お金の使いすぎを助長します。私のセミナーを受けた女性の大半がすべてを現金払いにしたら、支出が2割減ったという体験をしています」
現在、世の中をあげて、キャッシュレス化が叫ばれるなか、“現金払い”を提唱する市居さん。月のクレカ払いが10万円だとすると、これだけで2万円の節約になる。
「私はお金の乱れは心の乱れだと思っています。心が乱れると浪費を止められず、財布の中も乱れてきます。逆に財布の中を整えることで、心の乱れを抑え、浪費を止めることもできるんです」
■“心の乱れ”を招かない1万円札の収納法
そんな市居さんが「お金の漏れ出す財布」への処方箋5を教えてくれた。
【1】お札の向きをそろえて入れる
「お札の向きをそろえて入れられるときは自分の心に余裕があるとき。お札の向きと種類をきちんとそろえておくと、お金を大切に使おうとする意識が芽生えます」
【2】1万円札は財布の手前に入れる
「お財布を開いたとき、いちばん最初に目に入る手前の位置に1万円札を入れます。お金は小さくなるほど気軽に使ってしまいやすい。いちばん大きな1万円札を手前にしておくと、これはこのまま崩さずにおこうという自制心が自然と生まれ、浪費を抑える効果が」
【3】クレジットカードは1枚にする
「冒頭のチェックリストで、クレカ生活がOKな人でも、財布に入れるクレカは1枚が原則。複数のクレカを同時に使用すると、どのカードでいくら使ったのか把握が難しくなり、使いすぎの原因に。
過去半年間でいちばん使用頻度が高かったカードに絞り込むことで、支出が明確になり、生活費の全体像が一目でわかります」
【4】銀行のキャッシュカードを財布に入れない
「財布にお金がなくなって、銀行のATMに駆けこんで、ムダな時間外手数料を支払った経験はありませんか。これを防ぐために、財布には銀行のキャッシュカードを入れないようにします。カードは家に置いておいて、お金は月に一度、日を決めて、その月の予算額を下ろすようにしてください。気軽にお金が下ろせないと、財布の残金が気になって、余計な買い物をしにくくなります」
【5】緊急用の三つ折り1万円札を入れておく
「いざというとき、クレカやキャッシュカードが財布にないと不安という人もいるでしょう。そうした人は、緊急用に1万円札を三つ折りにして、財布のカード入れの奥に忍ばせておくこと。ふだん、目に入らないので、使ってしまうリスクも小さく、おすすめですよ」
こうして財布を整えたら、お金の浪費を招く心の乱れの直し方も教わっていこう。
■夜8時以降は買い物をしない
「心の乱れの大きな原因は脳の疲れです。夜8時を過ぎると、その日のストレスの蓄積がピークになり、脳は正常な判断ができにくくなってきます。
こうしたときに買い物やネットショッピングをするとムダな衝動買いのもとになり、あとで後悔することに」
実際、夜は「買い物かご」に入れ、翌朝に購入するか決めるようにすると、ネット通販の月の購入額が1万円も減るというデータも。
■有名人のSNSのフォローやメルマガ登録をやめる
「人はどうしても他人と自分を比較して、同じものを持ちたい、食べたいなどの消費に走りがち。とくに今はSNSの情報がそれを駆り立てます。見えを張ったり、身の丈に合わないものにお金を使うことを防ぐには情報を見ないことがいちばんです」
財布の中身を現金にシフトし、“情報誘惑”と“脳の疲れ”による浪費を断つことで、毎月3万円が貯まるという「お金の漏れ出す財布」の直し方。ぜひあなたもチャレンジしてみよう。
【PROFILE】
市居愛さん
「家計整理アドバイザー」などを育成するマネーコンサルタント。近著に『超ズボラな人でも毎月3万円貯まる!「お金じょうずさん」の小さな習慣』(PHP研究所)がある