2022年4月3日 06:00
9歳で『足を切る』と決め…義足のアーティスト「母に恨みない」
どうしますか?』と。おそらく母がそう聞かれて、私に『どうする?』って聞いたんだと思うけど。あんまりはっきり覚えてないんです」
当時、片山さんは学校でいじめにあっていた。クラスの子供たちは「バイキンがうつる」「気持ち悪い」と心ない言葉を浴びせてきた。
「あれは7歳だったかな。家でひとりで遊んでいたとき、たまたま鏡で自分の姿を見たんです。まだ足があるころ、初めて客観的に補装具なしの自分の素足を。私、ゾッとしちゃって。
『ああ、こんなに皆と違ってたんだ』と。それで『この見た目のせいで、私はいじめられるんだな』って、思っちゃって」
9歳。片山さんは自ら、両足を切断し義足となる決断を下した。
「義足になれば、皆と同じ靴が履ける、そう思ったんですよね。でも、いざ手術を受けて、初めて義足を装着してみたら、なんか棒みたいな、ロボットの足みたいなのがくっついていて。『え、義足ってこういうことだったの!?』って。義足に、皆と同じ靴は履けるようにはなったけど、結局いじめは中学卒業まで終わらなくて。私の性格のせいかな、って思った(苦笑)」
母に似て、片山さんも強かった。
決して、泣き寝入りはしなかった。
「いじめた子たちが、いちばんいやがることしてやろうと。