2022年4月3日 06:00
9歳で『足を切る』と決め…義足のアーティスト「母に恨みない」
それで、先生に『全員の親に連絡して』って言ったんです。『してくれないと、私は二度と学校に来ません』と交渉して。その後、それが伝わったのか、いじめはしばらくおさまりました。私、いやなことされたら100倍にして返したい人間なんです。だから、強いんじゃなくて性格が悪いんです(笑)」
気丈な片山母娘だったが、いまも、目に焼き付いた母の顔がある。
「ひとり親で家計も、私の面倒見るのも大変だったはずなのに、母は弱音を吐いたことがない。でも、1回だけ、彼女が泣いた顔を見たことがあって。あれは、私が小学校4年生ぐらい。
学校に迎えに来てくれた母が、泣きはらしたような目をしてた。『どうしたの?』って私、聞いたかな。母はたしか『ママ友と話してた』と。それ聞いて『あ、私のいじめのこと、相談してたんだ』って、すぐピンときた。『私のせいでママを傷つけちゃった、ママ、ごめんなさい』って心の中で謝りましたよ」
中学卒業後は地元の商業高校に。
「幼いころから母に言われてたんです。『いざとなっても肉体労働なんてできないんだから。資格を取るとか、堅実な仕事に就きなさい』って。
その高校は市立で、市役所への就職率も高かった。