有森也実 引っ込み思案からのモデルデビュー!きっかけ生んだ母の手作り服
「母は学校で舞踊部に入っていたそうですが、時代的にも経済的にもバレエを習うことができなかったから、娘には習わせたかったのでしょう。発表会の『眠れる森の美女』では、私は花のワルツを踊り、母は貴族役として出演しました」
バレエとともにファッションも、母と娘を強く結びつけたという。
「私の服は、ほとんど母が作ってくれていました。私も既製品より、母の作る服が大好きでした。母は昔、ベース(米軍基地)に勤めていたので、日本で普通には手に入らないような色合いの布とか、すごくおしゃれなボタンとかを使って、外国の映画に出てくるようなお洋服を作ってくれて」
有森さんがイメージをスケッチなどで伝え、一緒に布を買いに行き、作業に入る。
「何回も仮縫いするんですけど、途中で『ここのギャザーをもっと増やして』とか私も意見を言いながら、できあがっていく過程を見るのも楽しかったです」
引っ込み思案だった有森さんだが、母の作る服で徐々に自己表現の場を得て、小学校でも明るく過ごせるようになったという。■「あなたみたいな子にはコム・デ・ギャルソンは似合わない」
「でも中学に上がると、制服になったこともあり、またなじめなくなってしまって……」