2022年5月23日 15:50
アニメ『とんがり頭のごん太』ボランティアを演じた石川由依さん「震災を忘れないで」
(撮影:水野竜也)
「これまでのどんな作品より、私の素に近い声で演じました。東日本大震災を描くドキュメンタリーのような作品ですから、軽い気持ちではできません。いろいろ考えて、等身大の私のまま、主人公『吉野由紀』とともに悩みながら迷いながら演じたつもりです。キャラクターが確立しているほかの作品より、とても難しかったですね」
『進撃の巨人』のミカサ・アッカーマン、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』のヴァイオレット・エヴァーガーデンなど、数々のキャラクターを演じてきた石川由依さん(32歳)が主人公を演じるのは、『とんがり頭のごん太-2つの名前を生きた福島被災犬の物語-』だ。
福島県浪江町で食堂を営む富田家と愛犬ごん太を、あの日、東日本大震災が襲った。福島原発からわずか9キロの地で、富田一家は泣く泣くごん太を置いて避難。当時はペットを連れていける避難所などなかったのだ。
いっぽう、大学生の吉野由紀は、ペットを救済するボランティア活動に参加。
そこでごん太を保護し、「ピース」と名付けて世話を始める。だがピースは悪性腫瘍に侵され、余命1カ月と診断される。由紀はなんとかしてピースを元の飼い主に会わせたいと奔走するが……。