「過労死ライン超え」の学校も…専門家語る“ブラック吹奏楽部”の実態「同調圧力が強い」
「総じて強豪校の場合、部活の方針に賛同している保護者が多数派だと思います。運動部であれ文化部であれ、子供が頑張って賞をとることに保護者自身が大喜びする傾向があります。保護者が反対しているなかでこういう問題が起きるというよりも、むしろ賛成する人が多いなかで起こってしまうのではないかと思います」
さらに大会などで“優勝する喜び”は、ハラスメントを覆い隠してしまうという。内田氏はこう解説する。
「部活に打ち込んだ結果、優勝すれば泣いて感動する。そこで感動や達成感を味わってしまうと、なかなかマイナス面に目を向けられなくなりがちです。ハラスメント的な問題があったとしても、結局、感動の声に押し流されてしまう。
かたや同じやり方を繰り返すことで、離脱者が出てしまうことも。
それでも大会に優勝した成功体験が優先され、次の年も同じやり方を続けてしまうのです。勝つことや成果に目を奪われてしまって、なかなか少数派の子供たちの苦しみや心身の傷には目が向けられてこなかったということです」
■「構造的に学校ぐるみの悲劇」
このような“負のサイクル”は部活動にだけでなく、学校側にも原因があるという。内田氏は「部活が学校の名前を有名にしてくれるから、学校そのものが部活に依存してしまう」