くらし情報『全盲の弁護士と音楽家の夫婦 子どもたちの笑顔は心に映って』

2022年6月26日 06:00

全盲の弁護士と音楽家の夫婦 子どもたちの笑顔は心に映って

確かにそこには、ごくありふれた家族の光景があった。なにより、ふたりの子どもたちの笑顔は、パパとママの心には確かに映っているのだーー。

大胡田誠さんは’77年、静岡県で生まれた。生後3カ月のころ、日光を極端に眩しがる様子を心配し、両親が病院に連れていくと「先天性緑内障」という診断が下る。完治は難しく成人前に視力が失われる確率が高い疾患だ。

当初は視力のあった誠さんだが、その視界にはやがて白い霧が。

「だんだん視力は低下していきました。すごい倍率のルーペを使い、それでもなんとか本が読めたのは、小学5年生ぐらいまででした」

’90年、誠さんは東京の筑波大附属盲学校(現・筑波大学附属視覚特別支援学校)の中学部に進学し、寄宿舎生活を始めた。
そこで、ある本との運命的な出合いがあった。

「宿題の読書感想文のための本を探していたとき、『ぶつかって、ぶつかって。』という名の本を見つけました。失明から2年ほどたった当時も、僕は毎日、ぶつかってばかりいたので、そのタイトルにまず引かれたんですね(笑)」

それは、日本で初めて点字で司法試験に合格した弁護士・竹下義樹さんの本だった。

「全盲でも弁護士になれると知り衝撃を受けました。

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