2022年7月10日 06:00
高田馬場名物立ち食いそば屋が閉店に 女性店主供する天玉そばの味染みて
父の提案で立ち食いそばを「やるしかない!」
「私の母は岩手の生まれで、父は台湾から12歳で来日してのち、薬問屋で働いていました。結婚した2人は、今から75年前の47年に高田馬場で幸寿司を始めたんです」
49年1月13日に彩華さんが、続いて弟2人が生まれると、この小さな店舗の上で6人が身を寄せ合って暮らしていたという。
「たった3坪の店の上が住まいでした。2階に両親と私たち姉弟で、3階が店を手伝っていた叔母の部屋。風呂なんて当然ありません。近くの銭湯で、まだ入浴料が10円だったと記憶してます」
彩華さんは、すぐに店の看板娘となる。
「お客さんと話すのが、子供のころから大好きでした。ランドセルしょって、店から小学校にも通いました。
お正月には、日本髪に着物でお茶を運んだものでした.。もうこのころから、長女の私は、両親が繁盛させているこの店を、ずっと守り続けていかなければならないと考えていました」
高校を卒業後、店を手伝いながら、20歳の若さで結婚。
「ダンナとは行きつけの喫茶店が一緒でした。でも、結婚してすぐに彼はマージャンなど賭け事が好きで、消費者金融にも借金があることがわかって。