くらし情報『精神科医・香山リカさん 北海道で僻地医療に取り組む新たな生き方選んだ理由』

2022年9月25日 06:00

精神科医・香山リカさん 北海道で僻地医療に取り組む新たな生き方選んだ理由

しかし高度成長期に炭鉱は衰退し、町から若い人材が札幌や本州に流出していった。

65歳以上人口の割合を示す高齢化率の最新データでは、国全体でも約29%あるが、穂別は約44%と格段に高いのである。

《ようこそ、むかわ町穂別へ》と、’03年に化石が発掘されたむかわ竜の看板が出迎え、区画は整備されて道路も舗装されている。

だが人通りは、ほぼない。

「穂別の人口は最盛期の約4分の1まで減ってしまっています。コンビニも、『セイコーマート』が1軒あるだけなんです」

町唯一の医療機関、穂別診療所の西幸宏事務長(53)が話す。

「昨年4月以後、職員の医師は所長一人、“ワンオペ状態”でした。

もし、所長に体調不良やコロナ感染などがあれば、職員の医師がゼロになってしまいますので、副所長募集は急務だったんです」

そこで求人登録すると、東京の女性医師から手が挙がった。


「それが中塚尚子さんという医師でした。論文などを検索してみるとビックリで……。どう調べても、あの『香山リカ先生』なんです」

■月~金は診療所の副所長、週末は東京へと慌ただしくも充実した日々

一方、香山さんが応募の段階で心配していたのは、東京で続けなければいけない業務を、どこまで認めてもらえるかだった。

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