子ども食堂を作った宮津航一さん 養親や周囲の人たちに育てられた“恩返し”
子ども食堂自慢のカレーは、前日夜に美光さんとみどりさんが調理
【前編】「赤ちゃんポスト」一人目の宮津航一さん「僕が子ども食堂を作った!」より続く
カトリック帯山教会(熊本市)で、毎月第2土曜日に開催される「ふるさと元気子ども食堂を始めた宮津航一さん(18)。彼は「赤ちゃんポスト」での経験と子ども食堂の活動は、直接結びつくものではないと言う。
だが、自分を育ててくれた無償の愛情を、地域の子どもたちに体験してもらいたいと思うのは、自然な流れではなかっただろうかーー。
航一さんは3歳のとき、なんらかの事情で匿名で子どもを託すことができる熊本県・慈恵病院の「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)の開設初日に、1人目として保護されたのだ。
「間もなく、被虐待児や非行に走る子どもなどを対象とした専門里親などに登録していた父、養育里親に登録していた母に引き取られました。
両親は、’11年、里親制度よりも多くの子どもを受け入れられるファミリーホームを設立しました。これまで、厳しい家庭環境で育った30人以上の子どもたちが卒業しています」
現在は、おばあちゃん、両親、航一さん、そして5人の里子の9人暮らしだ。