歌うま芸能人が続々!今だからわかる『THE夜もヒッパレ』が歌番組に起こした革命のスゴさ
『THE夜もヒッパレ』が歌番組に革命を起こした
住んでいた場所は違っても、年齢が近ければ「そうそう!わかる」って盛り上がれるのが、青春時代、毎週見ていた歌番組の話。活躍する同世代の女性と一緒に、“’90年代”を振り返ってみましょうーー。
「今年8月下旬に放送された『24時間テレビ愛は地球を救う』(’78年~・日本テレビ系)内の企画で、20年ぶりに復活した『THE夜もヒッパレ』(’95~’02年・日本テレビ系)は、当時、安室奈美恵さんやMAX、SPEEDなど人気アーティストがレギュラー出演していたこともあって、’90年代に青春時代を過ごした団塊ジュニア世代にとって、思い出に残る番組といえるでしょう」
そう話すのは、世代・トレンド評論家の牛窪恵さん(54)。
放送開始当初のテレビ界は音楽番組冬の時代。『ザ・ベストテン』(’78~’89年・TBS系)や『歌のトップテン』(’86~’90年・日本テレビ系)など、一時代を築いた人気歌番組が次々に姿を消していた。
「そんな背景のなか放送開始した『ヒッパレ』は、同じランキング形式ではあるものの、さまざまな仕掛けがありました」
■カラオケをエンタメに昇華したのは革命的
まず特徴的なのは、当時のランキング上位の歌手にはテレビ番組に出演しない人が多かったことを逆手に取り、出演アーティストの持ち歌を禁止し、邦楽トップ10の曲をカラオケ形式で歌ったこと。
「当時、別の歌手の持ち歌を堂々と歌っていたのはモノマネ番組くらい。ただし、『ヒッパレ』で披露されたのはモノマネではなく、本格派のアーティストや番組独自のユニットがアレンジを加えたヒット曲を熱唱するという、非常に完成度が高いものでした。
シンディ・ローパーが森高千里さん、小林幸子さんが安室奈美恵さんの曲を歌うなど、元歌とは別の魅力が引き出されました」
また、’70年代から’80年代にかけて活躍した狩人やもんたよしのり、尾崎紀世彦などが“レジェンド歌手”として最新の曲を歌うことで、親子2世代にわたって楽しめる構成となった。
番組を進行したのは三宅裕司や中山秀征。
「『ベストヒットUSA』を彷彿させるような赤坂泰彦さんの曲紹介のあと、三宅さんが曲にかぶせるように歌手の裏話を挟み、ライブ感とスピード感のある番組進行だったことも魅力です」
何より、「見たい、聴きたい、歌いタイ!」という番組の合言葉があったとおり、カラオケブームを強く意識して制作されたと考えられる。
「歌手にとっても、自由度が高く、非常に楽しそうに歌っていたのが印象的。その姿を見て、聴いて、自分もカラオケボックスに行って歌いたいと思った人も多いのではないでしょうか」
【PROFILE】
牛窪恵
’68年、東京都生まれ。世代・トレンド評論家でマーケティングライターとして『ホンマでっか!?TV』フジテレビ系)など多数の番組で活躍
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