劇団四季とディズニーが初タッグの新『美女と野獣』が凄いらしい
衣装もリニューアルされている(撮影:福田ヨシツグ)
劇団四季がディズニーと初めてタッグを組んだ作品『美女と野獣』が千葉・舞浜アンフィシアターで上演中!
同作品は京都での上演から約5年、関東では約9年ぶりの再演。上演に先立ち行われた公開稽古で演出を担当するマット・ウェスト氏が「『美女と野獣』はアップデートされるべき作品」と話したように、台本も演出も舞台美術もリニューアル。なんと新曲まで加えたという。
ディズニー作品は、上演された瞬間にある種「完成」された“世界”となる。その後にリニューアルされるというイメージがない。ましてや新曲が加えられるなど想定外である。
初披露された『チェンジ・イン・ミー』は、主人公・ベルが自身の心の成長を自覚する一曲。2幕終盤にこの楽曲が加わったことで、よりベルの物語がくっきりし、彼女と共に“旅”をした観客の心に前向きな変容をもたらしてくれると感じた。
稽古場取材から約ひと月後、劇場でのゲネプロへ。東京ディズニーリゾートがある舞浜駅は、パーク内に足を踏み入れずとも「夢の国」の空気がただよい自然と心が浮き立つ。
その高揚感のままに始まった『美女と野獣』は、独特な色調の世界観、ユニークできらびやかな衣装をまとっての歌と踊りの見事さ、さまざまな感情を喚起させる名曲に次ぐ名曲……と、さながらミュージカルの“ベスト盤”。開幕から終演まで一瞬の隙なく完全に没頭し、安心して日常を忘れて示唆に富むアナザーワールドに生きることができた。
■注目アップデートポイント4
【1】セットが色鮮やかに
「外見にとらわれず、人の心の中まで見通す」という作品テーマを、「奥が見通せたり、透かしがある」セットでも表現。色彩も明るくスタイリッシュに。
【2】ベルがメガネ姿で登場
冒頭はベルがメガネをかけて登場。本の虫のベルがメガネをかけていることで知的さが増し、より聡明で、“今風”のヒロインになった。
【3】ベルのソロ曲が新たに追加
街の人から「変わり者」と呼ばれ孤独を感じていたベル。孤独な野獣と過ごしたことで変容し、「今の私が好き」と新曲『チェンジ・イン・ミー』を歌い上げる。
【4】子役のチップがかわいい♪
前回公演では小柄な大人の女性俳優が演じていたチップが今回は子役に。チップがセリフを発するだけで自然と笑みがこぼれてしまう。
あらためて、激動激変の現代を前向きに生きるには、時として夢の世界が必要なのだと痛感。今を生きる観客のためにアップデートされた『美女と野獣』で、ぜひ心の充電を!