美輪明宏に学ぶ清く生きる知恵「ギスギスした今だからこそ心にユーモアを」
(撮影:御堂義乘)
『女性自身』年末年始号では、麗人・美輪明宏さんに“清く美しく生きるためのコツ”をテーマにインタビュー。ここでは「息が詰まりそうなとき」に思い出したいメッセージを紹介しますーー。
人生には、苦しい時期や切羽詰まったりすることが必ずあります。そういうときに一服の清涼剤となってくれるのがユーモアです。ユーモアは大昔から必要とされてきました。たとえば、平安時代には『鳥獣戯画』というものがありました。カエルやウサギなどがまるで人間のように面白おかしく世相をからかう絵巻物。やがてそれが進化していくと、ふんどしや提灯のお化けになったり……。
何もかもが擬人化した絵巻物として描かれ、人々の心を和ませていたのです。
江戸時代の元禄期になると、京都に芸で笑いを取る寄席のようなものが生まれます。人々は芸によって笑いを楽しむ時代へと移り、それが現代も続いています。海外でも昔のフランス宮廷には、王様のそばに必ず道化師がついていました。王様を和ませ、一息ついてもらうために、道化師が政治家や貴族をからかって笑いを取る。そうやって王様のご機嫌を取る、といった時代もあったのです。
人間にとって、なぜ笑いやユーモアが必要なのかといえば、それだけ実生活というものがシビアで苦しいものだから。どこかで息を抜きたい、笑いたい、逃れたい……、そういう思いが昔から今に至っても連綿と続いています。
人々は常にどこかにはけ口を求めているのです。
そのいっぽう、ユーモアを楽しむためには、見る側、聞く側も、ふだんからいろんなことを知っておかないとダメです。世界の歴史や文化をはじめ、いま世の中で話題になっている人の名前や事象など、知識と教養、そして情報を幅広く身につける。自分自身のユーモアのセンスを磨くこともとても大事です。
これはフランスの小咄ですが、ある貴婦人が記者のインタビューに答えたユニークな話があります。記者が「今度生まれ変わったときも女性に生まれたいと思いますか?」と質問。貴婦人は「当然です」と即答。記者が「そんなに女性がお好きですか?」と続けて聞くと、なぜか貴婦人の答えは「大嫌いです!」。
記者は「大嫌いなのになぜ生まれ変わりたいとおっしゃるのですか?」と問うと、その貴婦人は「こんな厄介な人間を愛さなきゃいけない、抱かなきゃいけない男に生まれ変わる……、そんな悲劇に見舞われるぐらいなら、女に生まれ変わるほうがマシです」って。そのセンスある受け答えに、みんな大笑いしたそうです。
人の心は、笑いやユーモアによって癒されます。どれだけギスギスした大変な世の中であっても、生きる知恵として、ふだんから生活の中に取り入れておくといいですね。
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